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台湾国鉄なページ


のどかに家々の軒をかすめるように進む冷氣柴客(平渓線・十分駅付近)

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Last update Sun Sep 22 JST 2002.

台湾の鉄道は、国鉄(台灣鐵路管理局により運営)及び、台北のMRT(台北捷運により運営) と、 一日一往復の阿里山森林鉄道(林務局により運営)があります。台湾国鉄は日本のと比べて、古きよき鉄道という感じ。 どこか懐かしさを感じ、個人的には大変好きです。

台湾国鉄の路線

西部幹線: 基隆-高雄(竹南-彰化間は、海線と山線に分かれる。東海道本線の品川-鶴見間のような感じ?)
東部幹線: 八堵-蘇澳・花蓮、台東(宜蘭線,北廻線,花東線)
屏東線: 高雄-枋寮
南廻線: 枋寮-台東
平溪線: 侯石同(石と同で一文字)-青(青に竹冠がつく)桐
内灣線: 新竹-内灣
集集線: 二水-車○(土へんに口と壬)

で成り立っていて、上記4線で台湾一周を形成しています。ちなみに一日で台湾一周することが可能で、私の場合は、

桃園 07:36 (電車) 07:55 樹林
樹林 08:15 (自強1061次) 11:29 花蓮
花蓮 11:54 (呂光51次) 15:46 台東
台東 16:00 (自強2056次) 18:38 高雄
高雄 19:15 (自強1044次) 23:28 桃園

という乗り継ぎで実践してみました。もしよろしければ、お試しあれ。


ともかく鉄道旅行するには、何はなくとも時刻表(旅客列車時刻手冊と言う)は必須。私は、台北駅構内のセブンイレブンで購入しました。(25元) これはいいです。すごくコンパクトでありながら、台湾国鉄全線全駅及び森林鉄道阿里山線の列車時刻と主要駅間の乗車運賃がのっています。 駅名などすべて漢字だけですが、私たち日本人には問題ないですね。漢字圏以外からの旅行者にはちょっと辛いような気がしますが。 あと、お土産にもいいですね。

切符の購入

切符を買うには、列車の種類の知識が必要です。というのは、列車の種別(車両の種別)により値段が違うからです。日本でも運賃に加えて 列車によっては特急料金や急行料金あるいは、車両によってグリーン料金や寝台料金などの料金が必要です。しかし台湾国鉄では、あまり料金 という概念は無く、列車毎に運賃が決められているような感じになります。また、車両毎の等級はなく、すべてモノクラスとなります。

切符の値段から見た列車の種別は 4種類です。 自強, 呂光(正しくは"呂"の上に草冠が付く), 復興/電車, 普・快 とあり、自強號,呂光號,復興號は優等列車扱いで、 一部の運転区間が短い列車を除いて、全車指定席。地球の歩き方によれば、1週間前から電話で受け付けると書いてあるのですが、 電話での中国語なんて通じる自信がないので、窓口で購入しました。窓口の場合は、3日前から受け付け。台北駅などで無い限り、 窓口では通常、英語や日本語は通じず中国語での会話となりますが、まあ、必要事項を紙に書いて渡し(日付の並びも日本と一緒: 月/日。 ただし年は通常、独自の民国年なので分かりにくい。でもよく考えると昭和や平成も、海外からの旅行者には分かりにくいですね。)、 あとはなんちゃって中国語程度で大丈夫でした。そうそう、当日と翌日以降では、窓口が違う場合があるので注意して下さい。

指定席が売り切れると、立席券(無座票)で乗車することになります。これは辛い。しかも値段が安いわけでもないのです。 台湾の優等列車では自由席の制度がないため、適当に空いている席に座って、そこの座席指定券を持った乗客が来たら席を明渡すというスタイルなのですが、 結構いつでも混んでいるため、運良く空いている席を見つけても、大抵はすぐにどかされてしまいます。遠出する場合は、 何がなんでも座席指定(座位預約)を取りましょう。逆に優等列車の座席が満席であった場合、短距離の移動であれば、電車など全車自由席の列車の方が おすすめです。なお立席券(無座票)は、自動販売機でも購入が可能です。ただし、コインしか使えませんので、コインがどうしてもない場合は、 何とかしてコインを調達するか、長蛇の列の窓口に並ぶことになっていまいます。


列車の種類


自強號 Tzu-Chiang
台湾国鉄の列車は基本的に速度がノロいような気がするのですが、この列車だけは特別で、台湾国鉄の中では最速の列車。最速 130km/h 運転なので、 日本の在来線特急と比べても、そう劣らないと言えます。乗り心地的にも快適。お弁当の車内販売もあります。 台灣鐵路管理局のホームページによれば、車両は 3種類(電車、気動車、プッシュプル)あります。 自強號は一部のローカル線を除いて全線で運行されており、基本的に全線電化されている西部幹線の自強號はプッシュプル版または電車版、 東部幹線や南廻線の自強號は気動車版が走っています。
自強號プッシュプル版(推拉式電車組)

電化区間エース・プッシュプル形式車
(台北駅)

電光行先幕に外掛扉
(台北駅)

座席はリクライニングシート。快適です。
(高雄駅)

車内仕切り扉の上には電光案内板。安心ですね。
(高雄駅)


自強號電車版

電車版自強號。あと何年見られるか?
(新竹駅)

車体の丸さが目を引きますね
(新竹駅)


自強號気動車版(柴聯車)

気動車版の先頭車は切妻型
(樹林駅)

乗降口付近。ドアは手で
(樹林駅)

こちらも座席はリクライニングシート
(樹林駅)

背もたれ側より。フットレストもあり快適 !
(樹林駅)



呂光號(正しくは"呂"の上に草冠が付く) Chu-Kuang
急行列車という感じ。停車駅の数が自強號より若干増えるせいもあるのですが、なんせ機関車牽引のためノロい。 このノロさと、車両の古さから、乗車運賃は自強號より 1ランク下がるのだと思います。非電化区間は力強く爆音を響かせながら走るディーゼル機関車 (柴油電氣機車)に牽引されることになります。これも、一部のローカル線を除いて、全線で運行されています。また呂光號は夜行列車としても 運転されており、台東→(台北)→高雄というつわもの長距離列車もあります。


電気機関車牽引の呂光號
(桃園駅)

開放的な最後尾
(桃園駅)

車内は古いが自強号とほぼ同等
(高雄駅)

給水器。ちょっと使う気にはならない...
(高雄駅)

非電化区間ではディーゼル機関車が牽引
(花蓮駅)


復興號 Fu-Hsing
復興號は準急列車という感じ。呂光號に比べると運転区間が短め。自強號や呂光號に比べると本数はすごく少なめ。 概観は呂光號がオレンジ色なのに対し、これが水色が基本色。シートは緑色の革張りでちょっとランクが落ちます。 こちらも夜行列車としての運行があります。


出発を待つ嘉義行き復興號
(高雄駅)

復興號は呂光號と違い水色
(高雄駅)


電車
電化区間で走っている各駅停車。ロングシートの全車自由席。日本人には電車という種別には馴染みがないのですが、台湾ではりっぱな種別を 表します。各駅停車でありながら、比較的新しい車両で冷房付きであることから、優等列車である復興號と同じ運賃なのでしょう。 優等列車は大抵いつでも混んでいて大抵座れないので、結構好んで乗ってます。


基隆発の通勤電聯車 EMU-500
(八堵駅)

2ドアの EMU-400。あまり見ない
(樹林駅)

EMU-500 の車内。ロングシートで結構綺麗
(桃園-鶯歌駅間)

基隆は地理的関係上、通勤電聯車の宝庫 !
(基隆駅)


冷氣柴客
宜蘭線、平溪線、内灣線、集集線で活躍中の各駅停車。これは電車以上にシートも乗り心地もよく、 さらに比較的新しい車両で冷房付きであることから、これまた優等列車である復興號と同じ運賃なのでしょう。


平渓線の冷氣柴客。日本車輛製 DRC1000
(青桐駅)

車内の仕切りはやっぱり丸い
(二水駅)

平渓線のトンネルは真っ暗で歩きにくい
(大華-十分駅間)

左のトンネルを抜けると台湾のナイアガラ !
(大華-十分駅間)



平快/普通
これが最低ランクに位置する列車です。個人的には旧型客車は嫌いではないのですが、暑い台湾で冷房無しというのが最大の欠点でしょう。 実際、夏の暑い中、じっと通路で立って乗っているのは辛かったです。座って、窓を開けて風を受けていれば、まあ長距離乗っても我慢できるかも知れません。 ちなみに平快と普通の差は、快速運転するか各駅停車かという差のようです。


ディーゼル機関車牽引の平快
(侯石同駅)

旧型客車はやはり開放的
(侯石同駅)

車内は転換クロスシート
(花蓮駅)


柴快/柴
このディーゼルカーも最低ランクに位置します。しかし実は見たことありません。時刻表で見る限り、花東線や南廻線で走っているのですが、 廃車される前に乗ってみたいと思っています。私にとってはまぼろしの列車。ちなみに辞書で「ディーゼル車」をひくと、「柴油機火車」と 書いてあります。最初は冷氣柴客といい、柴快といい、「柴」というのはなんのことかと思いました。そうそうそれから、汽車と言うと、 列車ではありません。バスを指します。





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